掌丹田灸法の研究を行っている。
以前から、手の鍼灸治療の効果は自分の経験上知っていたつもりだったけど、お灸ではまだ手の灸法は使いこなせないこともあった。もちろん、今でもそうではあるが。
灸術の研究では、お腹と腰の温灸法を基本にしている。
しかし、最近では足湯をヒントにした足温灸の研究を始めたことで、手足のお灸の研究も重視し始めている。
手に関しては、お灸ではなく「両腕振り運動(スワイショウ)」も健康法としては有効ではあるが、手のお灸治療も何かないかと思っていた。
掌丹田灸法は独特の効果があることがわかってきた。
掌丹田灸法は、足温灸を組み合わせると、足温灸で土台の足を安定させた上で、手へのお灸刺激で手や腕や肩への効果を狙えるだけではなく、首の安定や脳への効果もあるのではないかと思っている(もちろん、足温灸も足だけの効果というわけではない)。
掌丹田灸法だけではなく、手へのお灸治療の研究は奥が深いと思う。
全身の反射点と考えることもできるし、脳(特に大脳)と関係があるような気もする。
手の反射理論はいくつかあると思う。
沢田流では、労宮は体力をつけるツボという話を聞いたことがある。
掌丹田は、労宮の下に位置するので、体力増進と関係があるのかもしれない。
丹田は、気海や石門や関元と関係があるし、脳との関係があるともいわれている。
掌丹田灸法は、両手に行っても良いと思うが、個人的には手の虚実を考えた方が良いと思っている。
左が虚のことが多いし、沢田流の左陽池や心臓との関係で、左掌丹田にお灸・温灸を行うことが多い。
個人差や体質などもあるけど、手のお灸は仮に多少の火傷をしても再生が早いように感じられる(糖尿病や特定の疾患や難病などには注意が必要)。
灸術の研究で治療法の基本は、お腹と腰の温灸になるけど、この目的は体力の増進にある。
気海、石門、関元周辺の灸は丹田への灸と考えることができるし、腰部への灸は腎へのアプローチが基本になる。
掌丹田灸法も体力の増進を目的にしていることが多い