横浜お灸研究室 関元堂温灸院

横浜市のお灸専門 関元堂温灸院

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

神闕丹田の約束

夜の公園は、昼間とは違う顔を見せる。 人気の少ないベンチに座り、僕は深く息をついた。 スマホを手に持ちながら、通知が来るのを待っている自分が滑稽だった。 「遅れてごめん!」 そんな声とともに、彼女が駆けてきた。 赤いセーターにデニムのスカート、…

熱の痕

薄暗い部屋に立ち込める煙草の煙の中で、彼はじっと椅子に座っていた。 腕には無数の傷跡、そして腹部に刻まれた古い火傷の痕が、彼の過去を物語っていた。 タツヤという名のその男は、数年前まで裏社会で知られた存在だった。 だが、今はその影も形もない。…

関元一点の約束

彼女が初めて「関元一点灸」を教えてくれたのは、僕たちが大学の図書館で夜遅くまで勉強していた日のことだった。 「ねぇ、知ってる?お腹の真ん中、関元っていうツボにお灸をすると、体がポカポカして元気になるんだよ」 彼女はノートの端に描いたお腹のイ…

関元一点灸インシデント

目が覚めたとき、僕の腹に火がついていた。 いや、正確にはお灸だ。 もぐさがじわじわと燃えていて、腹の中心が妙に暖かい。 「一体、なんなんだこれは?」 僕は慌てて身を起こしたが、どういうわけか体が動かない。 まるでベッドに縫い付けられたような感覚…

関元一点の物語

その朝、僕は唐突に「体の芯が冷えている」と感じた。 実際、部屋は暖房の効いた快適な空間だったし、手元のコーヒーも湯気を立てていた。 それでも、体の深いところ、何か重要な部分が冷え切っているように思えた。 理由は分からない。 そうした理由の分か…