横浜お灸研究室 関元堂温灸院

横浜市のお灸専門 関元堂温灸院

手足のお灸のツボ研究

人間の体は、筋骨格系、内臓系、循環器系、呼吸器系、免疫系、神経系、内分泌系などのシステムで構成されている。

 

脳と神経系の働きが、健康にとっては重要だと思う。

 

伝統的な灸法では、脊柱(督脈)と脊柱起立筋(膀胱経)を中心に、神経系の働きが悪い部位にコリや圧痛点が現れて、そこにお灸をするという方式が結構ある。灸による熱刺激が、神経系に作用していると考えられる。

 

背中には、脳からつながる神経があり、体の機能を保っている。神経には呼吸・発汗・新陳代謝・体温保持などの働きがある。

 

神経の通り道である脊椎周辺(督脈、膀胱経)に圧痛があると、体に問題が生じることがある。

 

筋肉の硬結部位が多いと、筋肉の歪みや捻れが起こり、痛みなどを引き起こす原因になる。

 

お灸の触診では、脊柱周辺の圧痛点を探すことも重要である。

 

脊柱周辺の圧痛点は、その部位での神経の伝達の停滞があることも多く、それが内臓の機能に影響することもある。逆に体性内臓反射から、内臓の機能低下により反射的に脊柱周辺に圧痛が発生することもある。

 

また、交感神経・デルマトームや経絡に関連して、手足のツボに内臓の反応が出ることもある。

 

手足のツボの圧痛点は、内臓反射点のこともあるが、その部位が疲労や炎症により直接的な問題を起こしていることもある。

 

手首や足首のツボは、原穴が集中しているし、関節的も負担が起こりやすい部位なことも多い。

 

最近では、体幹部よりも、手足の疲労や機能的な問題が全身に影響するのではないかと思うこともある。

古典的な鍼灸では、手足のツボを使って治療することは基本だったりするし、技術的な難易度は高いけど、その効果はダイナミックなものだったりする。

 

手は、脳の機能に直接的に関係があると思う。人間の手の動きというは複雑で、その動きを司っているのは脳と神経になる。よって、手の機能的な問題は脳に関係があることもある。鍼灸では手のツボのみを使って治療する流派もあるし、手の反射点は様々な考え方がある。

 

井穴に関してもその効果は、自律神経に影響するらしいので、脳との関係があると思う。

 

現代人は、スマホやPCの使用で手の疲労は深刻になっていると思うし、スマホやPCの使用は、目や首にも大きな影響を与えて、それが体の歪みや症状の原因になることもある。脳(精神)への影響もある。

 

手、目、首、脳の相互関係はあると思う。

 

足に関しては、人間は二足歩行が基本なので、構造的にも負担がかかりやすく重要である。最近は足湯の効果を実感することが多いので、足の温灸施術には興味がある。足が安定すると体も安定しやすいと思う。

 

手足の冷えを改善をすることは、健康にとっても重要であるが、どう改善するのかを考える必要がある。

 

セルフケアとしてはお灸ではないが、手に関しては、中国の達磨易筋経の中の両腕振り運動は、姿勢調整効果や全身の血液循環の改善に効果的と言われている。心臓病などに効果があるらしい。視力が向上することもあるらしい。おそらく、脳や血液に対して良い効果があるのだろう。簡単な運動法で、手の冷えや肩こりにも効果的だと思うので、個人的にはお勧めである。

 

足のセルフケアは、足湯が有効だと思う。足の冷えを改善することは大事だし、普通の入浴とは違う効果がある。後藤艮山先生が温泉を重視していたので、足湯の研究は行気性の研究の意味でも興味がある。

 

手は両腕振り運動で、足は足湯というセルフケアで、手足のバランス改善効果があるのではないかと思うこともある。さらに臍への塩灸も内臓(小腸ー腸管免疫系)セルフケアとしては有効だと思っている。

 

最近は、手のひらにお灸することも効果的ではないかと思っているし、足底の奇穴にも興味がある。

 

特にセルフケアとしてのお灸は、手のひらのお灸を研究すると良いのではないと思う。掌丹田を中心とした台座灸施術法を開発しようかとも思っている。