君臣佐使(くんしんさし)とは、漢方で生薬をその役割から4つに分類する考え方で、漢方薬に配合された生薬を、それぞれの役割から君薬、臣薬、佐薬、使薬の4つに分類する。
君薬とは、作用の中心的役割を果たす。
臣薬とは、君薬に次いで重要な作用を果たす。
佐薬とは、君薬を助ける役割を果たす。
使薬とは、君臣と佐薬の補助的役割を果たす。
漢方薬の処方箋においては、君臣佐使の重要性が主張されている。
これをお灸でも応用できないかと考えている。
お灸の場合は、薬ではなく、ツボ(経穴)である。
例えば、腹部の灸法の場合は、「神闕(心)」が「君」として治療の中心的な役割を果たす。「関元(腎)」を「臣穴」として、神闕に次いで重要な役割を果たす。「佐穴」を「中脘(脾)」として、神闕を助ける役割を、「使穴」としては「気海」を使い、神闕と関元と中脘の補助的役割を果たす。
神闕は、難経の腹診では脾にあたるのかもしれないが、三焦や小腸の関係を考えて、さらに神闕は計り知れない効果のある重要なツボという意味があるので、君主である心とした。
この腹部灸法を、「君臣佐使之灸」と名付けた。