腸は、「第二の脳」とも呼ばれ、脳からの指令が無くても独立して活動することができるといわれている。
腸脳相関とは、腸と脳が互いに密接に影響を及ぼしあうことを示す言葉である。
腸の状態が脳の機能にも影響を及ぼす。セロトニンは、腸管で作られている。
腸内環境の異常により、腸から脳への信号伝達に異常が生じているケースがある。
消化管内腔の粘膜細胞に刺激が加わると、この信号は迷走神経下神経節を介して延髄孤束核へ、脊髄後根神経節を介して視床、皮質へ伝えられると考えられている。
これは内臓知覚といわれている。
内臓知覚は、消化管壁内に存在している内在性知覚ニューロンからの信号も関係していると考えられている。
内在性知覚ニューロンの情報伝達にはセロトニン3受容体が関与していると考えられている。
ストレス下で、脳から腸へのシグナルの最初は視床下部の室傍核から分泌される副腎皮質刺激ホルモン放出因子である。
副腎皮質刺激ホルモン放出因子は、下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモン分泌を刺激し、副腎皮質刺激ホルモンは副腎皮質からの糖質コルチコイド分泌を刺激して、ストレスに対して適応する様々な生体反応を起こす。
ストレス負荷を受けた腸管では、平滑筋刺激による運動亢進だけでなく、腸内の細菌叢にも変化が生じるらしい。
腹部の温灸施術が効果的なものも、消化管内腔の粘膜細胞に刺激を加えることで、刺激が迷走神経下神経節を介して延髄孤束核へ、脊髄後根神経節を介して視床、皮質へ伝えられることで、脳細胞の活性化が起こり、これが生命力の向上につながると考えている。
脳細胞の活性化が起こり、自律神経が活性化がされると、身体の機能的な改善が起こる。