お腹へのお灸施術のこだわりがある。
まず、中脘というのは、気の発生する箇所である。
気は肺経からはじまり、肝経に終わる。
気の終始する箇所なので、中脘は重要になる。
任脈は補瀉の使い分け上も重要である。
任脈は、ある一つのツボで瀉法することもできるが、同時に正気の弱りを補うこともできる。
難病は、ほとんどが虚実錯雑である。
これは鍼の話になるが、杉山流では、先天の元気を関元に、後天の元気を中脘にして腹診を行っているらしい。
また中脘を使って全身に響かす術もあるが、これは中脘が気の終始する箇所だからだろう。
さらに正気がかなり弱った状態で、中脘を上手く使うと、胃の気を調整することもできるが、技術的な難易度が高く、初心者がやると逆に胃の気を泄らすことになる。
中脘は中焦だから、上焦と中焦と下焦を一気に治すツボでもある。
中脘は、任脈の胃の募穴であり、中焦の陽気を補いながら、脾胃の調節ができる。
また温補作用も強化できるらしい。