都会の喧騒が消える夜、私はひとつのアパートの一室にいた。
窓の外にはネオンの光が煌めき、人々が街を彩っていた。
アパートの中には、不思議な雰囲気が漂っていた。
そこにはお灸のセットがあり、その周りには奇妙な模様が描かれたキャンドルが置かれていた。
「お前もこれを試してみろよ。人生の鍵が隠されているんだ」
その声は、隣室から漏れてきた。
隣室の住人は、都会の奔走に疲れ、お灸と新たなるスピリチュアルな旅を始めた人だ。
私は興味津々でお灸のセットを手に取り、指定されたツボに灸を当てた。
そして、そのキャンドルの火を灯した。
すると、部屋の中に不思議なエネルギーが広がっていった。
火の精霊のようなものが舞い、私を包み込んでいく。
「心の奥深くまで行ってみろ。その先に何が待っているか…」
隣室の声が、私の中に響いているようだった。
私は閉じたままの目を開き、火の精霊の中に身を委ねることにした。
何かが変わった気がした。
都会の喧騒とは違う、新たなる次元に足を踏み入れたような感覚があった。
その夜から、私はお灸の舞踏と火の精霊の存在を感じるようになった。
都会の中にあるもうひとつの世界が、私の目の前で広がっていた。