お灸研究では、腹部の温灸の効果と小腸の機能を考えることもある。
小腸は消化と吸収を行う。
飲食物には細菌やウイルスなどが含まれている。それらの有害物質は腸の粘膜から侵入しやすい。
ガン細胞が生じる場所も腸内の粘膜からといわれている。
ウェルシュ菌、ブドウ球菌、大腸菌などの細菌は、腸内をアルカリ性にして、発ガン物資や毒素のある有害物質を作り出すようだ。これが体の抵抗力を弱めることもあるようだ。
具体的な症状としては、下痢や便秘はもちろんだけど、疲労感や肌荒れやアレルギーの原因になることもあるようだ。体の抵抗力を弱めることで風邪も引きやすくなる。
小腸の温度は高いといわれているし、炎症が起こりやすい部位なのかもしれないと思うこともある。
腸には、多くの血管や神経が集中している。
血液中を流れるリンパ球の免疫細胞の多くが、腸に集まっていてパイエル板などのリンパ組織を形成している。
免疫システム全体の70%が、腸に集中していると言われている。
腸は、「第2の脳」と呼ばれることもある。脳内の神経伝達物質「セロトニン」の90%が腸で作られているという話もある。
緊張すると、お腹が痛くなるのは、脳と腸の関係が深いと考えられているようだ。
古代中国では、関元の多壮灸を行うことで長生きができると言われていたらしいけど、小腸の機能を考えると納得できるものがある。関元は小腸の募穴でもある。
日本漢方や日本伝統鍼灸では、腹診を重視しているが、腸の触診として意識しても良いのかもしれない。
東洋医学では、小腸は、心の臓と表裏関係になる。
気海へのお灸や臍灸も、臓器の小腸に作用すると考えている。