横浜お灸研究室 関元堂温灸院

横浜市のお灸専門 関元堂温灸院

頭寒足熱温灸法

東洋医学では、頭寒足熱という考え方がある。つまり頭は冷えていて、足は温かいことが健康の条件であるという意味だろう。しかし、実際は頭が熱く、足が冷えている人が少なくない。頭を冷やせというのは、日常でもいわれていることである。

 

お灸を行う上でも、この頭寒足熱という考え方は参考になる。

 

腹部治療のためのお灸を行っていたとき、腹部にいきなりお灸をすると、患者によって体の緊張が起こることがあった。これは技術的な問題もあるが、このような体の緊張を起こしてしまうと、よい治療でも台無しになってしまうことがある。そこで腹部治療の前の準備として、四肢へのお灸を検討することになった。

 

伝統的には、左陽池を使っていたり、外関や足三里などを使っていることも多い。ただこの時期、足関節や足底筋膜のメカニズムを勉強していて、上記の頭寒足熱の考え方もあり、足に対しての治療に興味があった。しかし足三里や三陰交のお灸は難しいと考えていた点と、気を引き下げる点と腎の気の強化することで、頭寒足熱と腹部治療のための準備治療になるのではないと考えた。

 

お灸は腹部内臓骨盤より下の治療を行うことで、体を安定的な状態にするのではないと考えた。足腰をしっかりさせる。あるいは地に足をつける。

 

一般的にも足腰は冷やすな、お腹は冷やすなという言葉はよく聞く。単純な話ではあるが、こういうところに治療のヒントが隠されているように思える。

 

足底または足関節へのお灸は、経絡的にもまた筋肉の連動性からみても腎臓に対してなんらかの刺激が入ると思われる。本格的な治療に入る前の準備治療として、体をリラックスさせる意味でも有効なものと考えられる。