横浜お灸研究室 関元堂温灸院

横浜市のお灸専門 関元堂温灸院

丹田強化灸法

丹田に気が満ちていることが健康にとっては、大切だという考え方がある。

 

丹田は下腹部にある。下腹部がしっかりと安定していれば、体も安定してくる。

 

丹田は、ツボ的には、気海、石門、関元あたりといわれている。

 

現代人は、頭に気血が上がりやすく、丹田から気が抜け、足元もふらついていることが多い。

 

そこで、全身に散らばった、あるいは頭に上がった気を丹田に集めることが灸法においても重要になる。

 

丹田を強化することが健康につながる。全身の調整を行う上で最重要と思われる。

 

ツボは気海、石門、関元を必ず使うということではない。その他のツボでもおそらく丹田に気を集めることは可能だろう。

 

古典鍼灸などでは、気海や関元に鍼やお灸をして、気の様子を伺うこともあるらしい。

 

そこで、単純に気海に温灸または、灸点紙を貼り、良質のもぐさを使い、米粒大くらいの大きさの八分灸を多壮灸してみる。

 

なぜ、気海を使うのかというと使いやすいからである。関元を使っても効果的ではあるが、患者によっては抵抗を感じる人が老若男女問わず、いるのは事実である。それは体にいらない緊張を生むこともあるため、注意が必要である。

 

石門に関しては、古典の一部の考え方では禁鍼、禁灸穴らしい。使ってもおそらく問題はないと思うが、古典の考えは無視できないので、あえて使おうとは思わない。

 

気海に関しては、腎気と関係が深いといわれている。実際に難経や漢方における腹診では下腹部は腎が配当されている。

 

気海に多壮灸をして、気が丹田に集まると下腹部は安定することが多い。気が丹田に集まった場合、脈は安定してくることが多いし、腹診も異常部位が改善してくることが多い。舌の状態も改善することが多い。

 

頭もすっきりして顔色もよくなることも多い。頭がすっきりするということは気が丹田に下がったということなのだろう。逆の結果が出た場合は、ツボから外れてお灸をしているか、お灸の刺激量が強いなどの理由が考えられる。

 

お灸治療の場合、まず丹田の状態を腹診により確認してから、丹田に対する治療を行い、その後臓腑経絡や各種症状に対応した治療を行うことが理想的である。

 

治療をおける全身調整または各種症状に対する下準備的な治療になる。これを行わず各種症状に対する治療を行うと、場合によって体力の消耗がきつくなることがあり、効果的な治療が難しくなる。

 

丹田に対する治療は、治療の最後に行ってもよいと思う。体を安定的な状態にして治療を終えるのが理想的と考えるからである。