横浜お灸研究室 関元堂温灸院

横浜市のお灸専門 関元堂温灸院

「気海丹田腰脚足心」のお灸

「気海丹田、腰脚足心」という言葉がある。

 

これは白隠禅師の健康法で「内観の秘法」の中の言葉である。

 

「内観の秘法」は念と呼吸法の一つだと思うが、念や呼吸法は自分で行うのはなかなか難しい。

 

「内観の秘法」は、五臓六腑の病や神経衰弱に効果的と言われている。

 

そこで、この考え方をお灸に応用して治療に使うことはできないかと考えている。

 

気海丹田は下腹部で腎と考えることができる。腰脚足心は腰と足なので腎と関係がある。

 

腹と腰と足を重視していることは腎を重視していることではないかと思う。

 

「気海丹田、腰脚足心」を下半身と考えて、「頭寒足熱」や「上虚下実」のことを考えると下半身を温めて熱を集めた方がいいのではないかと思う。これをお灸でも重視する。

 

お灸を行うツボとしては、足心、太渓、気海、腰部のツボ(腎兪周辺、腰眼、痞根など)があげられる。

 

年を取ると足腰が弱る。足腰も老化も腎と関係がある。寒も腎と関係があるため、冷えとも関係があると思われる。年を取ると足腰が冷えるということも聞く。

 

夏は東洋医学的には心の臓と関係があるが、腎は臓腑経絡詳解の図では心をつながっているため、夏場の心の臓の消耗は腎の消耗につながると考えている。

 

腎が弱いと根気がなくなると言われている。先天的に腎が弱い人は根気がなく、マイナス思考で怠惰な性格なこともある。先天的に腎がしっかりしていると元気で爽やかな性格と言われている。

 

腎は骨、髄、脳とも関係がある。腎が弱いと脳髄が弱くなるので、全身に影響が出る。そこで全身の治療を行う上では、腎の働きを活発にすることが大切になる。

 

腎の弱りは、下腹部の力のなさや腰部のツボの陥没でわかることもある。皮膚の色が白、茶、黒などに変色することがある。それから足首の弱りや腫れの反応も目安になる。

 

腰から下の病は腎が関わっていることが多いと言われている。

 

年を取ると皮膚が黒ずむのは、腎(水)が不足することにより、内熱により黒くなると言われている。中高年の皮膚の黒ずみは肝腎陰虚の影響が強いと思われるが、子どもや若い人で腎の弱りが先天的、後天的にあると皮膚が部分的に黒くなっていることがある。白い場合は肺か脾か陽虚の影響が強いと言われている。

 

霊枢本輸篇では「腎は上み肺に連る」とある。肺腎の相互関係は、肺疾患や気管支炎や喘息が腎との関係があることからも理解できる。肺は腎の治療でよくなることもある。

 

下半身の強化は健康にとって重要と思われるが、自分で運動などで解決することが難しい場合もあるので、お灸などで補うことも良いのではないかと思っている。