原志免太郎先生。
100歳で『新しい灸学』を出版している。
104歳まで医師として、診察を続けていた。
そして、108歳257日で逝去。
お灸の研究で、博士号を取った最初の人物である。
原式灸法としては、足三里の灸と腰部八点灸で、結核予防運動を展開した。
個人的には、腰部八点灸は仙骨(副交感神経)への刺激であったのではないだろうか。
そして、足三里の灸はデルマトーム的にはL5なので、お灸による骨盤調整ができたのかもしれない。
原式灸法は、シンプルな手法だと思う。
関西の方ではどんな症状も腰部二点の灸で治していたという話を聞いたことがある。
腰というのは、体の要である。
原志免太郎先生の腰部八点灸は、第五腰椎と尾間骨末端の中間に脊柱を中心にして約正三角を書き、これを三等分して、八個の灸点を下す。
腰部八点灸は、八膠の灸穴に似ているが違う。
八膠の灸穴は、左右の第1、2、3、4仙骨孔に取る。
八膠の灸穴は、骨盤神経叢の上のあるツボで子宮や生殖器の神経支配に関係している大事なツボであり、自律神経とも深いかかわりがある。
腰部八点灸と八膠の灸穴は、「仙骨灸法」と言ってもいいかもしれない。
副交感神経に効果がありそうだ。
原式灸法は万病に適用される。
内科、小児科は勿論、外科、婦人科、耳鼻咽喉科等の問題も含まれるらしい。
個人的には、ツボの数は少ない方がお灸はよく効くと思っている。
ツボの数が多いと、どのツボがどう効いているのかわかりづらい。
壮数に関しては、多壮灸が有効と思われる。
多壮灸とは、20壮以上が理想である。
沢田流では、足三里に関しては、胃酸過多の人に用いないという意見もある。この場合は膏肓と陽陵泉を使う。
また、子どもの成長を止める可能性もあるらしい。
昔の人は、足三里にお灸していたが、あの時代は栄養が足りなかった可能性がある。
今は、栄養過多の人が多いと思う。
足三里は、意外と取穴も難しい。
足三里の多壮灸は、瀉法になる可能性が高いので、おすすめしない。