僕のお灸専門研究分野は、「温灸治療学」で、特に日本漢方の腹診をベースにしたお腹の温灸治療と、伝統的な東洋医学の経絡理論をベースにした足の温灸治療を研究している。
「足温灸」は、足を調整して全身を健康な状態へと導く、独自の検査法と治療法である。
「地に足をつける感覚(グラウンディング)」を大切にしている。
足の状態がしっかりすれば、歩くだけで健康的な体を手に入れることができると思う。
健脚は、古来から大事にされてきた。
僕は、20年以上前は、足の冷えがきつく困っていた。
まあ、鍼灸師の仕事は立ち仕事と座り仕事が多いから、脾腎に問題が出やすい。
「左陽池穴」を重視した沢田健先生も患者によく「腎臓が悪い」とか「脾臓が悪い」と言っていたようだ。
最近研究している扁鵲心書でも、結局は「脾腎」。
あと、「足湯」も良い。
後藤艮山先生は、治療はお灸を施し、熊胆、蕃椒を服用させ、「湯」に入ることを奨励したので、「湯熊灸庵」と言われていた。
「湧泉への多壮灸」は、扁鵲心書にも書いてあったと思う。
湧泉は、腎の井穴だけど、足底にある。
井穴は、指先にあるのだが、湧泉だけは特別である。
噂では、頭のツボの百会に対応することもあるようだ。
「湧泉は、気を思い切り引き下げる」
湧泉は、足、腰、下腹部が冷えて痛むような場合も効果があるらしい。
神経衰弱で不眠症で、肝虚の場合は、湧泉への多壮灸と肝兪の灸がいいらしい。